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概念デザイン研究所の立体登録商標;「創造の生命場」
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地域からの情報発信


<以下は”21世紀のビジネスシナリオの改訂版です”>
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 企業にしても,人材にしても,商品にしても,Creamonyの世界観においては, その存在哲学はあるがままのその存在である。つまり,この世にそれ しか存在していないということなのだ。模造や追随ではなく,それ自身がそのまま 存在していることにこそ,存在の意義がある。そういう意味において,企業も,人も, 商品も他のどれよりも「品位」がなければならない。つまり,「卓越的」であること に焦点がなければならにということだ。

この意味において,概念デザイン開発されたモノ
やコト(=概念空間)は非競争的で超越的な存在となる。これからの創造型社会 では,基本的に競争は,性能や価格に特化された不毛な過当競争ではなく,あくま でも”品位”を表現するものになるだろう。個別の性能や価格は,オンリーワン企業 などと言われる特定の企業によって,世界最高のものを同様に提供されるようになる からである。ある企業が産み出す最高品質のモノやコトは,全世界に共通素材として オープンに提供されることだろう。

概念デザインが主眼とする概念空間開発は, そうした世界トップレベルの各種の素材をいかに独自のものとしてアレンジしてい くかにある。概念デザイナーは,最高の食材を使いながら優れた料理を創造するシェフ ともいえる。料理人の腕前はその料理人の創造性によって測られるのである。Creamonyの 世界では,同じモノやコトのある性能面や価格面のみの優位性による競争は, 必然的に淘汰されてしまうであろう。仮にある商品が何かの模造品であり,性能は 同じで価格が安いといった場合,模造された商品は即時にその安い価格を保証でき るものを入手することが可能であり,次にそれを基に新たなアレンジをすることが 可能であるからだ。模造をすること,過当競争をすることよりも創造性の発揮によ る,”品位”の表現の方が「楽しく,楽にできる」のである。

創造性を発揮してい くためには,常時情報発信をし続ける必要がある。しかも,卓越的で文化資本や象 徴資本が溢れる情報発信が必要である。以上のような観点から,この項では卓越的 情報発信をするための方策をいくつか紹介してみたい。 卓越的情報発信を行う ために,私たちは改めて”地域”に目を向けなければならないだろう。地域はオリ ジナルな情報の宝庫である。

地域発信とは,言うまでもなくある地域からの発信を 意味する。つまり特定の発信所在を持つわけだ。地域というのは都市対地方という 図式での地方のみを指しているわけではない。発信の所在地として,その地域独自 の伝統という背景を基礎とし,実生活上に関わるもの,それが地域発信の定義にな る。 地域発信の意義は,発信される情報が多元的であることだ。

地域ごとの情報 の源泉は地域の伝統や地域の生活の分だけ存在することになり,一極集中的に一元 化された情報よりも圧倒的に多元的な情報発信が可能である。また,その地域のユ ーザが直接参画することにより,地域からの情報発信はより充実したものになるだ ろう。さらに,地域独自の表現方法の存在も卓越的情報発信には有用である。概念 デザイン開発では概念空間の複相性が重要になる。東京などの特定な情報発信源から 発せられた情報を,亜流として味付けしたものよりも,地域発信の方が圧倒的に複 相的な概念空間を開発することが可能である。

 地域発信の具体的方策としては, 次の3つが有効であろう。一つ目は地域の「宝探し」である。これは,その地域の 住人に直接「自分の宝物を表現してもらう」ことである。何が大切であるのかを問 う宝探しによって,その地域が,あるいはその地域の住人が発信すべき情報や開発 すべき概念空間が判明するのである。二つ目は,その地域の特性,文化,歴史を 十分に吟味することである。先に述べた,地域の情報発信の定義からこれは明らか であろう。三つ目は,その地域独特の顕現させうる状況を認識することである。 同じような概念空間であっても地域によってその表現が変わることはあり うるし,そうしたほうがよい。

例えば,概念空間の中心が稲作で有ることもあれ ば,陶芸であることもあろう。また,都会では大通りになることもあるだろう。 以上のように,情報発信の種,創造の種は地域という足元に豊富に存在しているのである。 地域発信の定義,意義,産出の基本について,図66にそれぞれの柱をまとめた。 図67には地域発信の卓越化に関するイメージを図示した。最近では情報ハードや マスコミュニケーションの高度化によって,都市と地方との情報の時間差は非常に 縮まって来てはいるものの,情報の発信度から言えば,図67の上の図のように東京 を一極として,そこから一元的な情報創造がなされていると言えるだろう。

つまり情報中心としての東京から離れれば離れるほど,卓越的情報の創造は減少して きているということだ。確かに,現況でも各地の個性はあることはあるが, むしろ30年前よりも現在の方が,街並み,並んでいる商品,宣伝,売り方や買い方 が殆ど一元化してきていると言えるだろう。

これに対し,概念デザイン開発では図67の下の図のように,各地域独自の概念空間 開発がなされ,同時に独創的で卓越的な情報発信がなされていることが重要なのだ。 商品は勿論のこと,売り方や買い方,時間や空間の消費の仕方が地位域ごとに千差 万別であることが望ましい。そしてそれらの異なった情報発信が互いを認め合うこ とで共鳴場をつくり,それぞれの”品位”と”卓越性”がフルに発揮されて独自の モノやコトが開発されていることが必要なのである。

 前述のように,複合資本の 中には「情報発信度」がカウントされる。結果として,複合資本を増殖させていく ためには,卓越的情報発信が常態として行われていることが必要である。 地域と共に卓越的情報発信を可能とする発信源には,アソシエーションと個人その ものがある。地域の情報発信における定義,意義,産出の基本と同様な意味合いで, 両者は卓越的な情報発信源となりうる。

要するに個人的な気持ちや趣味,個的な想 いといったものが概念デザイン開発上の大きなトリガーになるのである。ある意味で, これからの社会においては,自分の気持ちの赴くままに,自分のやりたいことをや る。それが最高の卓越的情報発信であり,同時にそれを実現することが概念デザイン 開発なのである。個人の気持ちや個的夢想を社会を通じて可能としていくこと,それ が自己テクノロジーの完成なのだ。Oldパラダイムでは,個的なことから離れ, 顔の見えない”一般”を対象として,そこに向けた一元的な情報発信が是となって いる。

Creamonyの世界観では,これがまるで逆転するのである。つまり,個人的な こと,個的なこと,小さいことが,最も卓越的な情報発信を行い,創造型社会を支 えていくことになるのである。



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