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個的空間のコンセプト


<以下は”21世紀のビジネスシナリオの改訂版です”>
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ここで述べる個的空間は概念空間としてコンセプト構築しているので,この空間開発をする ことは,概念デザイン開発になる。個的空間コンセプトの実現には様々な個別の開発が必要である が,ここで述べたコンセプトの中にそのヒントが多く含まれるはずである。このコンセプトは 概念デザイナーたらんとする,筆者自身の個的夢想そのものであるが, 概念デザイナーを目指す人たちへ等しく提供できるものでもある。

概念デザイナーの日々の行いは”遊行創造(ゆぎょうそうぞう)”(自然体の行為の中で常に創造をして いること)である。個的空間コンセプトは,”遊行創造”を確かなものにするも のと言える。”遊行創造”には,実際に各地の現場や現物を実際に見て回るという行為が含 まれるが,それを必要条件とするならば,創造行為や情報発信などを行う”個的空間”の存 在は,概念デザイン開発のための十分条件と言える。  ”個的空間”は,多くの場合が,物理的 に固定されたものとなるだろう。

例えば,首都圏内の自宅や,郊外の別荘や,地方のサテライ トオフィスであることもあるだろう。しかし,必ずしもそれに固執する必要もない。重要なの は,概念デザイナーがCreamonyを実際に行う場合,ある拠点で,十分条件としての静的な” 個的空間”が確保されることなのである。静的な”個的空間”は複数存在することもある。 それらを概念デザイナーが自由に渡り歩くこともあるだろう。また,概念デザイナーが動的な”遊行 ”をしながら,いった先々で静的な”個的空間”を暫定的にしつらえてしまうこともある。 それでは具体的な個的空間コンセプトを考えてみよう。

個的夢想を実現していく過程においては,まず私たち自身の精神的,肉体的な拡 大可能性を概念的に検討していくことが大切になる。既存の環境の状態や,周囲の規制条件に 適応させながら,狭い範囲でのコンセプトを詰めていくという方法論ではなく,それとは全く 逆に,個的な空間をどのように展開していくのかということが,個的夢想の実現化には求めら れる。したがって,個的夢想空間の構成順序は,図53に示したように,身体空間,居住空間, 交流空間,環境空間となる。

もちろん,物理的には図53の右側のように身体空間がもっともサ イズ的には小さく,それを取り囲むように,居住空間,交流空間,環境空間が存在するわけで あるが,概念の大きさと優先順序で示すと,図53の左側のようになる。 それぞれの空間の存 在意義は,身体空間が精神的,肉体的な”拡大”,居住空間と交流空間が,”変化”を楽しむ こと,環境空間が”調和”的存在であるとした。

 図54には,核となる身体空間の構成を示し た。精神的,肉体的な拡大を目的とする身体空間は,”瞑想”空間を中心として,あるいは最上 位として,その周辺に,”リラグゼーション”空間,”情報”空間,”創造空間”を配した。 概念デザイン開発では,精神的な領域,感覚的な領域などの抽象的で不可視な分野へのアクセスと 関与が絶対的に必要である。文化という対象を相手にするのであるから,これは当然のことで ある。こうした領域へアクセスし関与していきながら,発想能力を高めたり,直観力を磨くこと は概念デザイナーにとって必要不可欠である。(直観の研究についても深 化させるべきであることは言うまでもないが。)

率直に言えば,精神的拡大とは意識を宇宙レ ベルに広げることである。肉体的拡大とは地球規模に感覚器官を延長させ,地球規模で物体や 人を実際に動かせるかどうかである。ここで言う肉体の拡大とは自己の物理的な肉体を広範囲に 移動させうるかどうかを言っているのではない。概念デザイン開発ではCTフォーメーションの構想や 概念空間の構築などが大きな課題となる。

そのためには,いわゆる”作業的な実務”をこなす 空間よりも,まず,”瞑想”空間が,コンセプト的にも物理的にも,中心かつ最上位に配置され ることが重要だ。”リラグゼーション”空間は,精神的,自己の肉体的リラグゼーションのため のもので,”瞑想”をサポートするものである。”瞑想”へ入るとき,また”瞑想”からでると きに”リラグゼーション”の過程が必要となる。したがって両者は常にセットで考えられるべき であろう。 

”情報”空間はあらゆる情報の受信と発信とが可能な空間である。”創造”空間 は概念デザイナーが実際に創造行為を行う空間であり,”概念デザイン作業”の場となる。以上の4つの 空間が,概念デザイナーの身体空間を構成するものである。概念デザイナーの創造行為は”遊行創造”で ある。したがって,概念デザイナーの居場所には,必ずこの身体空間が確保されていることが大切な のである。 以上のような観点から,実際の個的空間のコンセプトを纏めてみると,図55のよう に構造化された概念仮説が表現できる。

図55は,居宅あるいはオフィスの個的空間コンセプトと 考えてもらってよい。 身体空間は拠点の中心に存在し,身体空間を構成する4つの空間は,瞑 想空間を最上部に配置し,順次ら旋的にリラグゼーション空間,情報空間,創造空間へとつなが る。そして,身体空間を全体として支える基盤に,”コミュニケーション”空間が大きく配置さ れる。コミュニケーション空間及び身体空間はセットで”居宅”を形成する。言うまでもなく, 居宅には人間の生活を維持し支えるためのその他の空間が必要であるが,概念デザイン開発の観点で 見れば,身体空間とコミュニケーション空間とが肝になるのである。

図55は物理的な意味も含ん でいる。空間の上下関係やサイズ感などは,この図で表現している通りである。コミュニケーシ ョン空間で重要なところは,それが物理的に情報的に開放系であるということだ。図55に示したよ うに,情報の受発信という流れと,人の往来という流れと,エネルギーの循環という流れが,コ ミュニケーション空間の中に存在することになる。これらの3つの流れが,前述の”変化”をも たらすものになる。

 交流空間とは周辺の地域や街並みである。交流という名称を冠したのは, 居宅のコミュニケーション空間と交流空間とが融合して,大きな地域のコミュニケーション空間 を形成するためである。交流空間には当然,上述の3つの流れが同様に存在することになる。交 流空間の周りには大きな”環境空間”形成される。自然環境や社会インフラや棲息する動植物や ,その他諸々の存在によって,”環境空間”は形成されるが,個的空間コンセプトの構築に当た っては,環境空間をも文化技術開発の一環として射程に入れ,アプローチして行く必要がある。環 境空間に最も大切なことは,調和である。安全であるといったことや,無公害であるといったこ とは当然であるが,それ以上に色々な事物がダイナミックではありながら,調和していること, あるいは不自然さがないということが重要なのである。

 それでは,個々の空間についてもう少 し具体的に考えて見よう。以下の作業は,個的空間という概念空間形成の一環であることを確 認しておきたい。前述のように,こうしたプロセスから,種々の個別開発のヒントが生まれてく ると考える。 

瞑想空間では,物理的に限界のある部屋やしきりに対して,無限の空間性を演出 する種々の工夫が必要である。採光や風の流れ,温度調節,音の演出,香のコントロールなど, 自然のものと人工のものとを巧みに使いこなした空間の開発が必要である。特にエネルギー場の新 たな研究成果も含めて瞑想空間は形成したい。自然技術と科学技術の高度な融合が必要な空間で ある。リラグゼーション空間では,精神や自己の肉体を開放したり癒したりするために,本物の 温泉の供給や森林浴が可能であることなど,人工代替物ではない,大規模で長期間に渡る概念デザイン のサポートが必要である。

例えば,交流空間全体に配備された地域温泉供給体制や,地域による 巨木や自然林の育成などの概念デザイン開発が同時になされ,個別の個的空間にもそれが利用しうる というようなイメージである。また,治癒能力の高い自然の植物が身近に存在することや,水の流 れの音や,こもれ日,鳥や昆虫のなき声などが,そのままの状態としてリラグゼーション空間で は得られることが必要である。例えばこうした空間は巨木の大枝の上に創られるかも知れない。 情報空間では,欲しい情報が瞬時に得られ,色々な人と直接コンタクトが可能でなければならな い。また,同様に自分の発信がどこにでも瞬時に配送できることが必要だ。特に大切なのは,い わゆる情報機器類やそれらを使いこなす作法に煩わされないことだ。可視化情報は壁や空中に直 接表出されればよいし,複雑なインターフェースも不要である。情報空間という相手と自然に対 話するようなかたちが最も望ましいのである。

創造空間に必要なことは,長時間集中して作業が できることや身体的な安全が常に確保されていることである。もちろん創造行為に必要なツール が潤沢に供給されることも重要だ。集中するためには,音や空気の適切な コントロールも必要 である。 コミュニケーション空間を含む居宅のデザインには,”変化”が必要だろう。物理的 には非画一的で常に何か発見があるような構成や,新しいテーマを着想するのにヒントを与える ような形態や色彩の調整が必要である。また,開放系としてのコミュニケーション空間には自然技 術が駆使された工夫があり,自然の”変化”そのものをも楽しめる構造があるとよい。

 エネル ギーの流れという観点で言うと,個的空間には自律型エネルギー供給システムと,完全リサイク ルシステムとが必要である。つまりエネルギーはふんだんに無料で得ることができ,排泄物やゴ ミが全く出ないシステムである。環境空間で最も必要なものは,景観と光である。30年以上前は 人工物が極端に少なかったため,どんな拠点でも少なからず景観と共に生活が存在していた。 1990年代の現状をイメージしてみると,特に都会では(地方においても景観の演出は殆どなされて いないが)景観を得ることは殆ど不可能であり,しかも景観演出をトータルで考えることは殆ど ないのが実情である。将来の個的空間コンセプトでは,人工物と自然との調和や種々の工夫によ って,必ず景観と光が生活に伴っていることが大切である。

 環境空間には,景観や光と同時に ,清浄な空気や水(自然の湧き水の方がよい),良い音,星空,豊かな緑(長期間に渡る育成計 画による自然林や巨木なども含む),地熱の利用や風力の利用,潤沢な温泉,本物の川の流れや 滝の存在,おおきな岩や石,土の香,花等々のキーワードが必要である。こうしたことは,原始 の生活に戻れという風に受け取られかねないが,Creamonyは,科学技術と社会 技術と自然技術とを統合的に調整するものなのであり,原始回帰を目指すものではない。ここで 提示した環境空間は外観的には自然そのものである。

しかし,その環境空間を構成しているもの は,社会インフラであるし,交流空間であるし,個々の個的空間である。緑深い森に近づいて見 れば,そこにはくるまや,スーツ姿の人や,高度な情報装置や華やかな交流の場などが共存して いるのである。それらの在り方が”自然であり”,”調和”され,3つの流れがよどみなく行わ れていることが重要なのだ。

概念デザイン的な”個的空間”とはこのような,環境空間や交流空 間に囲まれて存在しているのである。個的空間コンセプトを具象化した個的空間は無数に存在す ることになる。それらが概念的に個々に希求する交流空間や環境空間が止揚的に統合され, 概念デザイン開発されることによって,未来の環境空間は形成されることになる。個的空間の概念デザイン 開発は,単体として開発されるのではなく,常に個的空間と交流空間と環境空間とを包括的に 概念デザイン開発しようとする取り組みから行われる。実際にはある居宅においては,交流空間との融合 場であるコミュニケーション空間を,交流空間と環境空間の状況に応じて調和するようにしつら えることから始まるだろう。 個的空間の自然調和的な形成の,長年に渡る積み重ねが将来の環境空間を形成していく。



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