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自己実現の方策


<以下は”21世紀のビジネスシナリオの改訂版です”>
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自己テクノロジーというはひとことで言えば,自己と他者の違いを認識し,自己という存在 を認識,確立していくテクノロジーということができる。Creamony及び概念デザインを進め るためには,自己テクノロジーの確立を保証させるためのしくみ作りやしくみがえが必要となる。
既に述べて来たように,21世紀の創造型社会において活躍する主体は,自由闊達な知的個人である。 彼らが縦横無尽に実際に動き回れる保証体制や思想的支援が重要である。

図44にしめした ようにNeoパラダイムにおける自己テクノロジーを支えるものは”自由”,”多元在籍”, ”遊行創造”であるが,これらを詳説するまえに,自己テクノロジーという概念をビジネ ス的観点でもう少し掘り下げておこう。 哲学的考察から自己テクノロジーの歴史的変 遷を追ってみると,次のような8つの段階で進化が行なわれた。

0…自己熟視 → 1…自己配慮 → 2…自己検証 → 3…自己暴露 → 4…自己放棄  → 5…自己表象 → 6…自己省察 → 自己実現

 科学技術は上記の4段階目において, 客観性=真理という名のもとに「自己の放棄」という領域を自己テクノロジーとして実際 に作りだした。科学技術の発展とともに自己表象,自己省察という段階を経てきている。

科学技術をも高度に包含していくCreamonyの世界においては,自己実現が自己テクノロジーの目 指すところとなる。 ビジネス的な観点でわかりやすく言うと,自己テクノロジーは創造 型社会において人が十二分に創造的能力を発揮するために保証され確立されるべきもので, Neoパラダイムにおける自己テクノロジーとは自己実現可能装置(広義の)を確実に準備す ることなのである。

 ところで自己テクノロジーが発現するための基本3輪を考えてみる と,図51のように,自分の意思の発露ができる存在場と,何のためにそうするかという目的 場が必要で,そのうえ,具体的に自己テクノロジーを展開することができる展開場=媒体が 必要である。意思の存在と目的とは明確であるので,ここでは展開場としての媒体について 考えてみる。自己テクノロジーの媒体とは心理的展開システム/理論的展開システム/肉体 的展開システムである。どのような時代においてもこれらの媒体は自己テクノロジーを展開 するに当たって必要であるが,Creamonicな世界観における創造型社会の中では,心身的自由 /企業システム的自由/社会制度的自由として実際に,具体的に保証され確立されるべきも のである。

 上記3つの”自由”をさらに細かく構造化仮説として設定したのが図52であ る。
自己実現という自己テクノロジーを構築するには, ”場”としての”遊行創造”,”律”としての”自由の確保”,”制”としての”多元在籍” が必要となる。以下、ここでは「自由の確保」について説明する。


《自由の確保》 3つの基本的な社会のありかた(あって欲しい姿)の中で,概念デザイナー として,このようにありたいという理想像を,以下に述べてみたい。その一番目は,”自由の確保”である。 
概念デザイナーが概念デザイン開発の中で,真に自己実現するためには自由プラチック (実際的で実行可能な真の自由性)を享受することが大切である。
自由プラチックを可能にするためには,物理的にも精神的にも自律していなけ ればならない。

 既に多元在籍なる言葉を提示したが,物理的,精神的自 由の確保のためには,まず所属企業での多元在籍化が必須であろう。概念デザイナーがある特定の 企業に拘束されることは,自由プラチックを現実化するために,おおきな障害になると考えら れる。概念デザイナーはCTフォーメーションを有効に運営するために所属企業の組織を十二分に活 用することになるが,それはあくまでも対象となるテーマについて概念空間開発を行うため であり,必ずしも所属企業に100%貢献するとは限らない場合もある。いわば,CTフォーメー ションは一度形成されると社会的存在となるのである。このような状況において,物理的,精 神的に自由が確保されていなければ,概念デザイン開発を進めにくくなるのは当然である。  

概念デザイナーにとってCTNは自己実現の足がかりである。概念デザイン開発では, 仕事そのものが自由である。すなわち,仕事のテーマ選定についての自由,仕事仲間 選定の自由がある。逆に言えば,この仕事の自由性が概念デザイン開発の魅力でもある。
概念空間開発を射程に入れて動き回るとき,そこには新しい数多くのテーマが発信されて来る に違いない。

例えば,百貨店に在籍する概念デザイナーが,無公害集配車を開発しようと考えるこ ともあるだろう。家電メーカの人が住宅開発を手掛けたいと思うこともあるだろう。農業従事 者が観光開発を行いたいと考えることもあるだろう。そのように,創造意欲に即して概念デザイン 開発のテーマ設定が自由にできること,さらにそうした前提の基,創造的な心を自由に発展さ せることができる自由さが必要である。また,CTフォーメーションを実際に自由に組めること も大切なことなのである。個的夢想を実行可能なものとして保証していける,精神的,物理的 自由さが創造型社会には求められる。

 アメリカでは多種多様なコーディネーション業が存在 し,かつビジネスとして成立しているということだ。例えば,アメリカの映画は迫力と本物感 において他を圧倒するものを持っているが,これは単に投下される資金が潤沢であるだけでな く,迫力と本物感を実現できる社会インフラや精神的支援体制が整っているからなのである。
因みに,ある映画プロデューサーが,戦争映画の企画を思い立った場合,戦車やゼロ戦や飛行 場やキャスティングを全て取り揃え,スケジュール管理をする映画製作のコーディネーション 会社が活躍するのである。 個的夢想の実現を支えるために,数多くのコーディネーション 会社が存在するのと同時に,それらを認知する風潮も大切である。
自由の確保の点でどうしても進めなければならないことは,規制緩和への働き掛けであろう。 

個人が主体となって, 個的夢想の実現を目指す場合,管理や規制はおのずから,個人に帰着する問題となることは言 うまでもない。Oldパラダイムではピラミッド構造の上からの一元的管理が有効であったこと は間違いないことだろう。しかし,Neoパラダイムにおいては,上からの一元的管理や規制は 創造性を閉じ込めてしまう足枷になってしまう。公の管理や規制は,管理のための管理や規制 のための規制であってはならず,社会や個人の潤滑油的な存在でなければならない。

つまり, 公の立場というものは純粋なサービスそのものなのである。現状では,歴史的に意味を持たな くなった法律の存在や,敢て”そうさせないための規制”は言うに及ばず,何重にも存在する ”障壁的”な規制が多いと言える。Creamonyの実践においては,障害物は極力少ない方が望ま しい。公の管理や規制ではなく,個人に帰着する責任というものが自然発生的にものごとのあ りかたを方向づけることが良いのである。

 概念デザイナーは,現存するものを最大限に駆使し て概念デザイン開発をするだけでなく,広く社会一般に働き掛けて,概念デザイン開発への阻害要因を 積極的になくしていく努力をすることが必要だろう。 社会的な管理や規制が極力少なく, 自由な仕事が自由にできる土壌が整っていること,そういう社会であることが重要である。
極端に言えば,創造力と実行力がある18歳の若者が,資金ゼロで,人脈が乏しくとも,10 億円のビッグプロジェクトを転がせる土壌が存在しているかどうかということなのである。今 までは,既に資金が潤沢にある人に大きな門が開いていた。これからは,創造力と実行力が最 も有効な資本になるべきであろう。

  自由の確保という観点で,私たちが真に自由を謳歌 でき,真に創造的であるための条件について,若干提言しておきたい。 「人間,貧すれば 鈍する」と言われる。Oldパラダイムで貧しくなってきたのは,私たちの心の余裕ではないだろ うか。仕事に埋没し,心の余裕をなくし,私たちは本来人間のあるべきものを見失ってきてし まっているのかもしれない。人間本来のありかたとは,大上段に言えば,自分の哲学を極める こと。創造をすることであろう。

 人間本来の在り方を考えるために,余裕の時間も必要であ るし,安定した状態も大切だ。筆者は,これらは基本的に無料であるべきだと考えている。つ まり人間本来のあるべき姿を最低限保証するものはタダで供給される必要があるということだ 。ここでいうタダとは,公に税金から捻出されるモノやコトのことだ。では私たちが無料で享 受されるべきものとは何か。それは,次の3つの人間の基本的存在保証についてである。すな わち,”安定”,”向上”,”回復”の3点である。”安定”の中には,エネルギー,食糧, 戦争回避,安全が入る。”向上”には教育全般が入る。”回復”には病気治癒,リラクゼーシ ョンが入る。勿論,食糧といってもグルメは別である。要するに必要最低限の人間としての存 在を保証するもの,それは無料であるべきだということである。

 現況,世界戦略の中で, 食糧やエネルギーは格好の戦略材料となっている。教育や病気治癒にも多大な金がかかる。 しかし,人間の本来あるべき状態を確保するものは戦略や金儲けの手段であってはならないと 思うのである。私たちは”創造性”という唯一のリング上で能力発揮すべきなのである。リン グ外では常に人間らしくあらねばならないと考えるのである。例えばエネルギーを例に取ると ,1973年の石油ショックでの,世の中の右往左往がすぐに眼に浮かぶ。私たちは本来,自然の 賜物であるエネルギーによって人間性を左右されてはならないのではないだろうか。ましてや ,それを挺子に,戦略として世界経済を揺さぶり,戦争や貧困や飢餓を生じさせるようなこと は,すべきではない。

 ここで倫理的意識に訴えかけて行くつもりはない。提案したいことは ,エネルギーが戦略問題化しないように,新しいエネルギーの開発を国レベルで行うべきであ るということである。そのとき大いに,文化技術開発が貢献できるのではないかと考えるので ある。概念デザイン開発ではテーマ設定は自由である,発想も自由である,さらに同じ仲間として CTフォーメーションを組む人材も自由である。新しいエネルギー開発の芽は既にたくさんある し,日本の資金力と頭脳を持ってすれば,地熱であれ,風力であれ,常温核融合であれ,フリ ーエネルギーであれ,実現は難しいものではあるまい。(既に芽生え始めているものもある。) 上述のその他の項目も同様である。人間に本来確保されるべきものを社会として無料とす べく,開発していくこと,そういうことを社会全体が認識していること,そしてそのために 概念デザインが活用されていることが必要であると考える。 



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