”慧”小論文


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2000年-7月15日…IT革命とは;その技術としての本質について…文責;Taikoh Yamaguchi@gainendesign.comConceptual Design Labo. Top page

2000年4月6日付け慧の「IT革命と”e-shift”」において、この世紀末、否ミレニアム末に出現した文明の大転換事象とも 言うべきIT革命の「時代的意味」について概括しました。
そこで述べたように、IT革命は文明が飛翔すべき大トリガーですので、その枠組みは非常に広範であり かつ、個別に出現する事象は極めて複雑繁多で目まぐるしいものでもあります。
「デジタルディバイド」のような差別を助長するようなキーワードすら生まれ、 一方では20歳代の若手社長がIT革命の寵児としてマスコミ上で喧伝されてもいます。
IT革命の個別論は極めて多岐に渡り、しかもこれからはいっそう高度化されて行くに違い在りません。この項では、IT革命を理解するために、もう少しIT革命の本質的部分を掘り下げてみたいと思います。

IT革命とは確かに1000年単位で出現するような”偉大なる革命事象”であります。しかしその本質は、IT;情報技術という超技術革新によって古い時代が新しい時代へと 大きく進化していくことであり、重要なことはその技術の革新性にあります。 そもそも革命と命名するからには、革命をする主体の存在と、革命される現状と、革命後の未来が想定されているわけで、現在の体制が劇的にひっくり返ってしまうような 世界観の大転換がイメージされているわけです。その主役がIT=情報技術という総体としてのテクノロジーであるということです。
すなわち、IT革命とは、情報技術という人間が獲得した能力が、ある閾値を越えて進化し、その結果新しい世界を現出して行くことにほかなりません。
要するにIT革命の肝は「獲得された技術」にあるわけです。
(閾値=ある事象が一定の限度を越えると急速に変化したり認識されたりするような、”量が質へ変換するようなポイント”を言う。)

では、その”獲得された技術”の本質とは一体なんでしょうか。それは一言で言えば「生産性の向上」と言えましょう。IT革命と呼ばれる今次の大変革の技術としての本質は、 ”圧倒的な生産性向上”であるということです。
それでは次に、IT革命が有する生産性向上の主要切り口について考えてみましょう。

@無形化・不可視化…
そもそも技術という概念は可視的な物質の背景に存在する無形・不可視なものですが、情報技術の特徴はいままでの技術の認識とは異なって、それを表徴する可視的な 物体の存在を殆ど伴いません。このことはIT=情報技術によって創造される商品群が、無限の有形化・可視化の可能性を秘めることになります。

Aディジタル化…
アナログ世界は時間の経過に伴って常に「風化」と「ノイズによる劣化」を免れ得ません。つまり諸行無常であるということですね。そこがまたよいところかもしれませんが…。
これに対してディジタル世界は諸行無常の一断面を表象化することによって(その時点で厳密にはその世界観は削ぎ落とされている)、永久に固着させます。
その結果、重要なことは基本的には永久に再現がパーフェクトに可能であり、数値処理的にノイズがパーフェクトに除去されうることになります。
このことは距離や時間に関係無く、宇宙の果てまで行っても、「その表象化された情報」はそのまま大量にコピーが可能であると言うことです。

B超高速化・迅速性…
今次の情報技術による革命は、超高度に進化したコンピューター技術やコミュニケーション技術によるところが大きいのですが、その中でも、日常生活では創造を絶するような スピードが、上述の技術の閾値を越えさせるに多大な貢献をしています。「タイガー計算機」という手回し計算機を実際に実験で使った覚えの在る人には(筆者もその一人)、 1秒間に1兆回の計算が可能と言われても、言葉がうつろに頭を過ぎ去るだけなのですが、実際に現在のコンピューターはそういう能力で稼動中であると言うことです。
因みに、金融商品のキメラ(頭がライオンで尻尾が蛇の神話の怪獣)であると言える「デリバティブ;金融派生商品」取引は、コンピューターの超高速性が生み出した シロモノです。

C大容量…
約50年前に発明された初期のコンピューターであるエニアックは演算処理部が真空管でできており、ミサイルの弾道計算をするだけでも、大きなビルひとつくらいが 必要な、物理的に巨大な物体でした。筆者が20数年前に実際に使った1メガの記憶媒体はその時代では最新の(テープではない)バケツのようなディスクパックでした。
それが現在では回転部の無い、いわば小さな石板(20ミリ角)に64メガの情報が入り、しかもさらに高密度になろうとしています。
物理的な存在を意識しなくてもよいような領域に超大量なデータが存在しうる…このこともスピードと共に、技術的な閾値越えをサポートしています。

D多元の目(神の目)…
以上の結果、総合的に人間は神の目とも言うべき、「多元の目」を獲得することができました。そして多元の目は更に進化を続けるでしょう。
多元の目とはすなわち、「同時多元=いろんな事象を同時に見る」「同時複相=ある対象を同時にいろんな視点から見る」「瞬時大量=常に新しい情報を今すぐ入手できる」 という、「地球全体を掌の上で観測可能」な、そういう言わば前時代的には「神の領域における観測状態」が、われわれにも可能になりつつあるということです。
「学問に王道は無し」とは古き格言であり、いまや「学問;知識獲得・考察…に王道あり」といえましょう。王道とはIT革命による「多元の目の活用」です。
人間が「多元の目」を獲得できたことが、今次のIT革命の最大のポイントかもしれません。これは予想だにできない「新たな文明的閾値」を必ず越えさせるでしょう。
それは、現時点では計り知れません。しかし確実に言えることは、「多元の目」を獲得した人間は、あらためて人間の存在そのものを必然的に見なおさざるを得なくなるということです。

上記のような切り口によって、必然的に「製造」「流通」「販売」「宣伝」、さらには「商品企画・開発」「デザイン」「研究」は激変します。つまり個人も企業も生活したり経営活動をして行く環境総体が変わってしまうということで、 この変化して行く環境総体に戦略的に生存のための”生まれ変わり”をすることを、”e-shift”すると呼んだわけです。おそらく既存の”大量・均一という前提の基に、 純粋に営利追求のみを金科玉条としてきた前時代の資本主義構造”も変革を余儀なくされるでしょう。

これらの主要なIT革命の切り口により、生産性は圧倒的に向上し、その結果、重要なことは「生み出される富は20世紀を遥かに凌駕するだろう」と予測(期待も含め)できるということです。
今回のミレニアムなIT革命の最も重要な視座が富の飛躍的な増殖にあります。 (但し、その分配をいかに適切に行うかという重大な課題が残ります…というのは、現在の ”古い資本主義構造”においては、富の増殖と貧富の差の増殖は同期しており、特にアメリカなどにおいては増殖された富が一部の富裕層に過剰蓄積されてきているからです。)

上記のようなIT革命が持つ戦略的な切り口において、結果最も有利な位置に来るのは、「完結された自律的存在である”個”」であることは明らかです。何故ならば、 これらの重要な切り口は同時に、「迅速性;アジャイル」「決断性」「完結的な一体性」によって裏打ちされていることが肝要だからです。すなわち、IT革命の技術的 本質は”個”に対して非常に優位に働く時代的特徴があると言うことです。 ”個”には、いうまでもなく「個人」があり、「個的小企業」「個的ソサイエティ・コミュニティ」 などが含まれます。
IT革命は”個”をして、”圧倒的な生産性向上のサポート”を以って、”クリエイティブな生活”に向かわせる、そんな時代のトリガーであるということです。

「生産性の圧倒的な向上」、「富の大増殖」、「個への視座」…そして「人間存在の問い直し」…と、IT革命が投げかける課題は…やはり”ミレニアム的”であると言えましょう。


参照項目…

IT革命と”e-shift”

関連情報1…
21世紀シナリオ

関連情報2…
21世紀経済のデザイン-7-生命体のこころ
21世紀経済のデザイン-6-太陽系視座における地球経済
21世紀経済のデザイン-5-人材と可能性の生成化育
21世紀経済のデザイン-4-新しい企業会計基準
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