”慧”小論文


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Conceptual- Design- Laboratory

概念デザイン研究所の立体登録商標;「創造の生命場」
『概念デザイン研究所』は登録商標です。

by Yamaguchi Taikoh執筆者宛メール
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1997年6月23日;なぜ今概念デザインなのか…文責;山口泰幸

「概念デザイン」と言ったときに、即座にその意味と趣旨とを認識していただけた 人はこの1年間で数人でした。京都在住の元経営者、ミラノに留学中のデザイナー、 日本に留学中の中国人、アメリカ人のエンジニアです。私としては5%位の人に 概念デザインが理解される位で丁度よいと考えています。世の中を保守するアイディア には80%の支持が必要でしょう。また、リスクを抱えながら革新する時には20% 程度の支持率が必要です。因みに、60%も支持のある革新案などはその場で止めた ほうが賢明です。ところで、5年とか10年先の世の中の流れを少しづつ変化させたい 場合ですが、この場合は5%の支持でいけると思います。全くのゼロでもいけません。

例えば、100人の聴衆がいるセミナーで殆どの人が理解不能か反発を抱くときに その中で、ほんの一握りの人に、100%その内容が瞬時に理解されているという 状態が5%の支持です。数人の分かる人には100%理解されうるという状況が 次世代の超革新的な流れづくりには必須です。

「概念デザイン」は100%説明可能です。しかも新しい分野でもあります。 理解者には100%理解できる説明が不可欠です。そこで、極力簡単に、短く概念デザイン を説明してみます。「概念デザイン」という言葉にはデザインというキーワードが あるために、この言葉は先入観をもたれやすい対象となります。従って全く別の 言葉で置き換えると、「枠組みの無い自由な創造の場において、何も無いところから 何かを生じさせるための、調和的な創造行為」ということになります。

既存のコンセプトデザインにしてもコンセプトエンジニアリングにしてもデザインに しても、よく突き詰めると、大きな枠組みや慣習や暗黙のテーマは既に存在している ところから出発しているものです。つまり「概念」が既にありきの状態からのワーク になります。アイディア発掘であっても、〜デザインイメージにしても概念もテーマも 既にありきなのです。よく商品コンセプト云々ということがいわれますが、この場合も 〜商品と言う既に確固たる暗黙の概念が設定された上での展開なのです。

「概念デザイン」はその概念そのものについて研究をしようとするものです。 概念という非常に抽象的で感覚的なものが一体どのような場から発生可能であるのか、 それがどういうプロセスを経て固まってくるのか、また、概念とはどのような構造を 持っておりどのように語られるべきものなのか、さらに概念は具体的にどのように この顕現世界に展開されるのか…ということを研究しようということなのです。 それはなぜかといえば、21世紀は近代工業化社会と違って、基本的には枠組みが 殆ど無い完全な自由な創造場に変貌すると考えられるからです。

企業であっても個人であっても、学校であっても、行政であっても、前例や規定 、慣習などという面倒くさいがありがたい枠組みが、殆どなくなる不安定な 創造型社会に突入していこうとしています。何が起きているのかわからない、 なにをしたらいいのか戸惑う…そういう大変な自由創造場が押し寄せるという ことなのです。「いいやそんなことは幻想だ!」と言われる方もまだ多いかもしれませんが 現実、社会や家庭や企業の中で起きていることを説明ができますか?なっとくがいきますか? これからどう生きようとしているのか自分でも探り得ていますか?

率直に言えば何が起こるかわからない、何がおきても不思議でない、そういう 闇が迫っているといえます。闇と言っても無明のそれではなく、可能性のいっぱい 詰まった午前3時の希望の闇ではありますが。

では、その闇を明るくするものは何でしょうか。それは個々人の情報発信、オリジナリティある 創造行為に帰着します。つまり、「何をするのか」ということをも生み出す創造型社会 が訪れるということなのです。そのとき必要なのは言うまでもなく、抽象的な概念の 世界を的確に自己増殖的に確立することのできる能力です。概念は与えられるものではなく ゼロから生み出すものなのです。それゆえに概念そのものを研究することが重要に なるわけです。

「概念デザイン」はそういう意味で、当然哲学的な分野への言及もなされます、 デザイナーやアーティストが持っている直観の領域の研究も必要となります。 従って、勢い「概念デザイン研究」は広範な未知の領域へ踏み込むことになります。 「概念デザイン」の本質的な部分は概念発生場の研究、概念の構造化、概念の具体的 展開になります。そしてその結果、新しい商品や人材や組織やビジネスなどを 具体的に創造することによって、「概念デザイン」の本来の目的である、世の中の 大きな流れを革新していくということに貢献するわけです。

「概念デザイン」は曖昧で感覚的な領域に言及しますが、アウトプットは曖昧ではありません。 「概念デザイン」を進める主体は企業でもあり個人でもあります。その結果、 企業は企業自身を全く別のものに変質させるかもしれません。個人もあらゆるものを 創出することができるようになるでしょう。「概念」そのものを生み出すということは そのように、規定路線に則ったアウトプットを遥かに超えたアウトプットをだすことも 大いにあります。そこがまた面白い所なのですが。

では「概念デザイン」は全くいままでやられてきていないかというと、同じような行為は やられてきているでしょう。イタリアのコモ湖周辺のプロダクトデザイナーにしてもニューヨーク のソーホーのアーティストも結果としての「概念デザイン行為」はしているといえます。 しかしわたくしがここで強調したいのは、「概念デザイン」をより科学的に理論的に 言及し解明し、より”多くの一般人”にそれを身につけてもらい、殆どの人が 創造型社会の中でクリエーターとして活躍する場を拡充したいということなのです。 「概念デザイン」のスーパーエッセンスは何かと問われれば、「場の中の共鳴」 「概念構造化仮説」「ウエッブワーク」と答えます。その中でも「概念構造化仮説」は 最も重要なものだと言えます。こういう”秘儀”を公開するのも、私流の概念デザイン 実践なのです。

21世紀は企業も個人も「営利」というよりも「生きざま」を求めて、それに相応しいアウトプット を創出するために、「概念デザイン」する、ということになるでしょう。

参考ページ…優しい概念講座と商品コンセプト講座

  


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