”慧”小論文


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1998年6月20日;仕組まれた円安その2…文責;山口泰幸

6月16日付けの慧;仕組まれた円安;で年内いっぱいくらい円安基調は続くだろう と書きました。その2日後に1日で一気に10円も円高の為替相場がはられました。 これについて考えてみましょう。結論から言えば、やはり円安基調は当分続きます。 それは簡単です。欧米の金融魔王の真の狙いは1;日本の個人資産1200兆円と 2;金融経済上での圧倒的な覇権掌握です。図式は簡単です。円の信用を下げておいて 日本が経済的に混乱している機に乗じて、欧米の債権や株を買わせる。その後、1年 以内に再度、日本経済が再生したとか何とか言って、円高に振れさせる。それだけ でいいのです。これで、おそらく300兆円位はなんなく彼らの懐に入ります。

泣くのは、今あせって外債を例えば1000万円で買った人です。そのひとは きっと、予定金利実質10%位にほだされて外債を購入したのでしょうが、結果は 惨めです。償還される未来の円は円高によって多分半分くらいに目減りします。

サマーズとかなんとか言うポッと出の財務副長官が、居丈高に18日に乗り込んで 経済閣僚級会議に恫喝をかけてきました。客観的にはこれは超内政干渉ですが、 とりあえず彼が意見具申しに来ました。表面上は日本の経済政策の不備をついてい るので確かに的を射ていると思う人も多いでしょうね。ですが、これはブラフです。 それは、アメリカ政府が完全に欧米金融魔王と結託しているということがばれました。 よろしいでしょうか。1日に10円の円高に現状の政府系の金融介入だけでもって いけるとおもいますか?それは否です。現在1日のうちに金融経済(虚構経済)上 市場で極少数の人間が動かしうるお金は200兆円位あるといわれています。

勿論10年前や20年前には考えられなかったことです。が、今はそうなのです。 之に対して、政府系が介入できるのはせいぜい20兆円で10%程度です。 おそらく、アメリカ政府は金融魔王と取り引きをし、経済サミットへの一石として この円乱高下を演出したのでしょう。あたかも「おれたちにはこれだけの実力があるんだ」 といわんばかりに。

今回の円急上昇のシナリオには次の狙いがあると思われます。ひとつが日本政府や アジア諸国に対する金融魔王の存在と実力を見せ付ける…今後言うことを聞くように。 ふたつめが、そうは言ってもあまりにやりすぎると流石の日本経済も息の根を止めかねない ということでしょう。生かさず殺さず、しかしありったけ持っていくという金融魔王 の典型的で徹底的な手口ですね。というわけでまたぞろ円安は続くでしょう。

サミットを乗り越え、中国に必要十分な牽制をし掛け終えれば、あとは日本の 資産を吸収するだけです。これにまんまと嵌まるのもよし、大わるだくみに荷担する もよし、清々とやり過ごすのも良し…全てあなたの判断次第です。 ただし、ひとつだけ言えること…それは金融魔王的なものは20世紀の世紀末的な 事象として、いずれ21世紀という異次元の世界に吸収消滅されていきます。 こうした流れは賢明に知り置くべきことではありつつも、わたしたちは既に新しい 経済、否人間の生きざまの新たな構築に着手すべきときに来ているのです。 富とは何か、財産とは何か、未来を担保するものとは一体何なのか…。金融魔王に 一喜一憂することよりも、もはや別の道を模索すべきときなのではないでしょうか。

  


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