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Conceptual- Design- Laboratory

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1999年-5月7日…エネルギー革命としてのアグリビジネス…文責;山口泰幸

日経ビジネスに「農と言える日本」と題してこれからのアグリビジネスに関する提議がなされていました。また、昨年末から今年のはじめにかけて 仙台市における「大型農園に関するビジネスプラニング」にも関わりましたので、アグリビジネスについて若干論じてみたいと思います。
農業と言う分野にはいままで全く関与していませんでしたので、「大型アグリビジネスの概念デザイン」にあたり改めてまっさらの状態から情報収集と 情勢分析をしてみました。話は飛びますが、「概念デザイン」の立場から言えば、むしろ未着手で知らない分野の方がバイアスがかからないのと、 「恥ずかしげも無く基本的な質疑や議論ができる」という意味で、題材としては面白く、かつ挑戦に値するわけです。
結果として約2ヶ月で50億円規模のアグリビジネス事業計画を官サイドに提案し、ほぼそのまま受領され、現在最終的に国の決裁待ちという状況 です。「概念デザイン」的には、3ヶ月以内に大型のプロジェクトを立ち上げるということがひとつの目標ですので、今回の事業計画提案は通常の 1.5倍のスピードと仕掛け、先行投資等々が必要でした。「感動を以って受領された」という意味では、かなり満足のいくアウトプットであったと自負 しています。ただし、「アグリビジネスの概念デザイン」自体は今回の本論ではありませんので、またあらためて詳しく論じたいと思います。
今回のテーマは、上記のアグリビジネスに関する概念デザインのプロセスで得た、私なりのアグリビジネスに関する結論です。

結論の最大のものは、「今次のアグリビジネスの本質はエネルギー革命にある」ということで、そのことを押さえることが成功要因になると考えます。
言うまでも無くアグリのキーポイントは「農業技術」にほかなりません。「農業技術」の高度化と「農業技術者」の養成は必須です。さらに、 機械系の技術と違って、アグリは「自然が内包する神秘”未解明が多いという意味で”の”自然技術力(とでも称すべき)”」にその殆どの産出を 委ねることになるので、純粋に人工的ではない、「自然との語り合い」といういわば”神的領域”をテクノロジーの中に織り込まなければなりません。
ここがまさに21世紀的でもあり、アグリビジネスのテクノロジーに関する難しさと言えるでしょう。
さて、そうではあるのですが、その難しい「農業技術(特に大規模生産において)」は目に見える形での明らかな必要条件なのではあります。
つまり、21世紀のアグリビジネスを真に成功させるためには、もうひとつの十分条件がいるわけで、これらが同時にそろってはじめて、アグリビジネスを 永続的に成功させることができると考えています。…十分条件とは、21世紀のアグリビジネスを時代の潮流の中でどう位置付けて考えるかと言う 「アグリに関する認識論」になります。

21世紀のアグリビジネスを概念デザインした結果、次のような結論に至りました。すなわち、21世紀のアグリビジネスとはグローバルなエネルギー 移動戦略の一環として捉えるべきであり、日本における新しいアグリビジネスとは「エネルギー革命」に他ならないと…。
「農業」というテーマはその永い歴史、生活への密着度から言って、一種独特の「思い」が存在することは否めません。そして上述の「神秘の力」に 依存する関係上、勢い、「思いがつのる」ことになります。しかし、日本での新しい、しかも比較的大規模なアグリビジネスを検討して行く上で、 「農業技術」というブラックボックスを織り込みながらも、エネルギー移動問題として、グローバルに見定める視座が重要であります。

つまり「農業」という言葉を超えて、新しいアグリビジネスは「新規事業企画」としてゼロから「事業を企図し、構築していかなければ」ならないでしょう。
農業製品が、20世紀的な大規模画一的な機械文明の伸張に連動して大量画一的な戦略物資になったのは、そう遠い昔ではありません。
…が、現在では一部の自給自足的な農産物を除いては、特に日本では、農業製品は本質的に食料と言う人間のエネルギー供給に関わる 戦略物資に他なりません。…この図式の認識がないと、新しい事業としてのアグリビジネスはおぼつかないものと成ることでしょう。

話をわかりやすくするために、敢えて「農業」ということばを使わずに「新エネルギー産業としてのアグリビジネス”ネオアグリ”」と称しましょう。
ここでいうネオアグリとは、いわゆる既存の個的農業者による管理され尽くした農事ではなく、大型化、企業化された形態でのビジネスです。
ネオアグリの本質がエネルギー産業であるとすると、大きな課題に遭遇します。
その一つが、グローバルなエネルギー産業の潮流に真っ向から勝負をかけることになることで、これはすなわち世界的なエネルギー産業がらみの あらゆる戦略、あるいは仕掛けあるいは陰謀と対峙して行くということなのです。

現時点でのエネルギー産業の要は化石燃料系です。ある意味で農業生産物も化石燃料系を仕切る一握りの産業グループによって 生殺与奪の権限を握られていると言えましょう。化石燃料系の本髄は、その「偏在性」にあります。
「偏在」しかつ、「限定」されている対象はなんであれ、争奪に関する覇権が生じ、同時にそのための戦略が存在します。
日本におけるネオアグリの射程には意識的にしろ無意識的にしろ、上記のエネルギー偏在に対する処方が含まれます。それは日本のネオアグリ の大きな動機が食料自給率の大規模回復であり、その方法論の中核が、化石燃料系の周辺ではないテクノロジーやエネルギー源泉に依拠 しているからです。このことは日本のネオアグリは、本格的に、まじめにやればやるほど、「現下のグローバルな化石燃料系」と覇権を争う図式に なります。覇権を争うというよりは、化石燃料系の覇権死守がそうさせるということなのですが。
なぜならば、日本のネオアグリは本体及びその周辺をエネルギー偏在から解放し、「エネルギー遍満」に導くダイナミズムを有するからです。

大きな課題の二つ目が、ネオアグリのテクノロジー的によってたつ基盤です。すなわち、日本のネオアグリにはエネルギー遍満を可能にするため の「クリーンエネルギー導入」「循環システム導入」「自然技術を最大に引き出すための新しい学問体系の導入」「地域起こしの概念導入」「文化価値創造」 といった視点やビジネス戦略が必須となります。

いずれにしても20世紀的な化石燃料系・偏在体制は時代の遺物になるはずです。日本のネオアグリは21世紀の創造のためにも是が非でも 推進しなければなりません。…しかし、上記のような視座がなければ、また成功することも極めて難しくなるのではないでしょうか。
日本のネオアグリは一見、いままであったような、それでいて本当はなかった全く新しい取り組みであり、これは果敢に挑戦すべき、しがいのある 「パズル」のようなものだと思っています。
「パズル」は必ず解けます。それは答えはあるからです。…でもなかなか解けるものでもありません。やはり「パズル」は難しいんです。

概念デザイン研究所がご提案する”ネオ・アグリビジネス”コンセプト

  


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