”慧”小論文


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1999年-6月1日…背景としての米中決戦;トンネルは空だった!…文責;山口泰幸

この約1年、北鮮がらみの「何だこれは?事件」が頻発しています。…といって、短絡的に北鮮脅威説を述べるわけでもありません。 テポドン発射、韓国の太陽政策、日本海における自衛隊による威嚇爆撃、中国の米国に対する軍事機密スパイ疑惑、ユーゴの中国大使館爆撃、 江沢民の日本頭越し米国接近と歴史認識の再提議等々この背景にあるのが21世紀における覇権闘争;米中決戦であると推定できます。
米中決戦が武力によるものなのか政治的・経済的なものによるのかは現時点では五分五分ですが、いずれにしても21世紀の初頭に米中は 歴史の総決算的な視点において”覇権奪取の決着”を着けることになるでしょう。その原因は言うまでも無く、アメリカは西欧金融大魔帝国の表看板 として覇権による世界統一を目指し、一方中国はその歴史とサイズとマンパワーの巨大さにおいて当然のことのごとく覇権による21世紀君臨を 渇望しているからです。軍事力で言えばいかな中国といえどももはや軍事超大国のアメリカには及びませんが、両国ともにオーバーキルの核兵器を 保有しているという図式において、軍事的な覇権闘争も政治的な対峙も可能です。要するに「覇権奪取」を基本コンセプトに米中と言う両大国が置いている限り 覇権的米中決戦は必至であるということです。日本はこの覇権闘争構造の渦中においては、現在米国の枠組みのなかにあるという事実を認識することと、 その渦中にあっても、冷徹に上記のような大きな力のバランス関係を見定めて行くことが肝要だと思うわけです。

北鮮の金正日が、神秘主義を用いて個人の神格化を図りつつも、その実風変わりな人物であることを露呈させていることは少ない映像からでもわかりますが、 金正日の思惑であろう「尊厳のある孤立」と、個人的な中国嫌いを、遥かに凌駕して、現実は北鮮が政治的・経済的・技術的に中国の支援で成立している 「中華人民共和国の橋頭堡国家」であると言えます。この具体的な証拠がテポドンや人工衛星に使われている重要技術が米国のそれにそっくりそのままであり、 これを中国がスパイ活動で入手し、技術指導している…というわけです。ただし、今次米国が急遽中国のスパイ疑惑を喧伝してきた理由は、その事実に 対する非難活動というよりも、一連の米中決戦における作戦と考えた方がすっきりと理解できるのではないでしょうか。

1997年の夏まで中国の対米前線は海南島、広東省、台湾海峡、東シナ海、朝鮮半島の38度線だったわけで、しかも経済基盤が弱かったこともあって それは”弱い前線”であったとも言えます。
…が、1997年の香港返還、1998年までの経済発展を契機に、本格的に覇権闘争に乗り出してきた中国の前線は、南沙諸島付近への軍事施設設置、 台湾海峡での台湾総統選挙への恫喝的軍事演習、そして今次の「北鮮によるテポドン試し打ち(実験的と言う意味ではない)」へと拡大基調であり、 中国の本願(本当にそうやりたいと心から願う)における理想的対米前線は、実はサハリン、日本列島、琉球列島、台湾、南シナ海全域という図式であると考えられ、 このラインにおいて太平洋を挟んで超大国アメリカに対峙するというものである推測できます。

逆にアメリカの思惑は、少なくとも北鮮、あわよくば華東、華南の経済特区までも含めた、実質的な資本主義経済前線であると予想できます。 両国のこの思惑のギャップと覇権主義が、ここ数ヶ月の一連の「おかしな現象」を引き起こしていると言えましょう。
こうした米中二極対立の図式の中では、日本、台湾、北鮮などは互いの掌中の駒という認識で扱われており、同時に、必要に応じては前線における 代理戦争役として活用し、かといって我が方の陣営に入れておきたい”虎の子”でもあります。

中国の昨今の目に余るような日本無視や日本批判なども、本気で憎いというよりは、上記のような米中決戦における舌戦の一環であると見ておいた方が よいでしょう。そういう意味では、中国にとってもアメリカにとっても日本は手にしておきたい優れた珠玉であり、愛しい恋人でもありましょう。

このような図式でみると、ユーゴにおける中国大使館爆撃(誤爆などではありえません)は中国の覇権主義と実際的なその拡張に対するアメリカの 威嚇であり、中国の軍事機密スパイ活動に対する報復といえるわけです。

そしてガイドラインの法制化をスムーズに行かせるための演出が日本海における自衛隊初爆撃であり、ガイドラインは言うまでもなく、アメリカの 対中国前線の固めなわけです。…ただし、北鮮の不法侵入船自体はアメリカの演出ではなく、北鮮のそういう活動を日頃より知りつつも 今回のタイミングにおいてうまく演出に利用したという意味で、アメリカの総合演出と言えます。

さて、さて本日のテーマにようやくたどりついたわけですが、この数週間でどうやらアメリカ(を表看板とする西欧金融大魔帝国=西欧国際金融資本)の 対北鮮政策が変化してきたようです。
韓国の金大中大統領が北鮮政策として太陽政策(北風という力によって北鮮を開けるのではなく、太陽の日差しのような温かさで対応する)を打ち出していますが、 韓国大統領の同胞人への思いとは少し違うところで、アメリカも北鮮に対して太陽政策をとりながら、懐柔作戦に出てきているようです。
上述のようにアメリカが覇権対峙の前線を38度線から鴨緑江(アムノック川)まで引き上げるにあたって、北鮮を平和裏に取り込むことの方が、北鮮と 戦闘するよりも遥かに損出が少なく効率的です。また、その機会にも現在恵まれています。(北鮮の経済破綻と金正日の中国嫌い)

北鮮のピョンヤン郊外の山間部に核疑惑のある建造物が人工衛星によって発見され、今回北米チームによって現地調査が行われました。
アメリカの現況の対中国姿勢から言えば、北鮮査察の現地調査結果も何か厳しいものがあるかと思いきや、あんにはんして、「行って見たら空っぽでした!」 という簡単で能天気な査察結果で済ませてしまいました。確かに、査察の前から「行くぞ、行くぞ」といっておけば、北鮮に「これから行くから、片付けておいてね」 と言っているようなもので、まさに今回の仕儀は、封建時代の悪代官が賄賂の見返りに、事前に踏み込む日を教えてあげる…というようなものでした。
いくらなんでも、「トンネルは空っぽでした!」で済むわけがありません。では一体、その山の中の巨大設備は何のためのものなのでしょう。 そこへの深い言及がなくして、手ぶら同然で査察が終了できるわけがありません。ここに秘密が潜んでいると思うのです。
… ペリー特別調査官(という実体不明の人)が北鮮を訪れ、クリントン大統領の新書および小渕総理の新書を金正日に渡したと伝えられています。
結果的に金正日とは会見できずに帰国しましたが、ペリー氏は訪朝の成果を声高に表明していました。 おそらくは、北鮮には望外な取引条件を提示したものと推察されます。

この夏までには、早ければ北鮮の6月に予定されている朝鮮最高人民会議までに、結論がはっきりと出てくるでしょう。ひとつは北鮮自体が何をどう選ぶか、二つ目は”相談された中国”がどう巻き返すか。
最悪のケースは代理戦争としての第二次朝鮮戦争がアメリカによって”仕掛けられる”ことでしょう。北鮮がアメリカの甘い誘いを拒絶して、 明確に中国、北鮮連合を形成し始めると見るや否や、アメリカは、既に整った「日米ガイドライン」を梃子に、いっせいに米中戦争へと突き進むと考えられます。
現在アメリカにはギリギリで踏ん張っている”ドル暴落”という時限爆弾があります。これが爆発する直前までには、なんとか米中決戦において方向付け だけでも付けておきたいというのが本音でしょう。中国の元を切り下げさせるか、それとも朝鮮戦争か、あるいは先にドル暴落が来るのか、 晴れる間際が一番霧が濃い…そんな状況に入ってきました。いずれにせよ西欧金融大魔帝国の緊急課題は、覇権主義的大国中国の芽をつんでおくこと、 と考えておくのが妥当でしょう。

以上のような状況下、日本としては、枠組みに身をある程度委ねつつも、やはり21世紀的なビジョンを描きつつ、金融大魔帝国に陵辱されることなく、 かといって覇権主義的中華帝国にへつらうこともなく、ひたすら冷静に、「宇宙の理に即した」生き様を世界に清々と発信しつづけることが重要…と 感じる昨今なのです。

  


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