”慧”小論文


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1999年-10月17日…クレスベール始末記…文責;山口泰幸

国際的な詐欺事件である、クレスベール証券によるプリンストン債1200億円略取については、既に「新手のパイレーツ(海賊)」にて概要を述べました。
本日はその後の展開についての総括です。前回9月初旬の指摘では、まず1200億円は間違い無く戻らぬこと、そしてそれらに手を出してしまった
一応優等生企業に入る企業群の甘さについて言及しました。既に本件はマスコミにて大々的に取り上げられ、1200億円の国際詐欺として事件が確定しつつあります。
つまり、やはり案の定1200億円はまんまとネコババされたというわけです。そしてその後驚くべきことに出るわ出るわ、魑魅魍魎の仕儀のごとき
後日談が表面化しました。プリンストン・グローバル・マネジメント会長のマーチン・アームストロングがNY界隈では名うての詐欺師であったこと、
クレスベール証券会長の瀬戸川明氏が実は1990年代初頭に件のアームストロングと「組んで」「飛ばしファンド」を売りまくっていたこと、
こともあろうにそのクレスベールからプリンストン債購入企業の副社長へ数億円のリベートが逆流していたこと…などです。
「さもありなん」という呆然感が漂う腐りきった事件なのではありました。前回一応は優等生的な企業群としてはおきましたが、
殆どろくな調査もせずに金利50%とかいう幻想を鵜呑みにして、いわれるがままにジャンク債に手を出すのは、少なくとも一流の企業では
ありません。ましてや市場から頂いた貴重な利益をみすみす国際詐欺師に渡し、しかもその一部を個人的に還流させていたとは…一体
日本人はどうなってしまったんでしょうか。貧すれば鈍する…目先の金と、自己中心的な行動基準と責任逃れの勇気の無さが、優秀であった
日本の企業の、「品格」さえも台無しにしてしまっています。少なくともクレスベールからリベートをもらってジャンク債を買いつけた
企業の責任者のとった行為は背任であり、この罪は極めて重大でしょう。…さてさて、こうして書き進めると情けなさと憤りとがつのってきますので、
とりあえず後日談はこれくらいにしておきます。


本日の本旨は、このクレスベール事件が実は金の暴落と暴騰を絡めた、極めてビッグサイズの国際的詐欺事件であり、それが非常に周到に
練られたシナリオではないかという指摘なのです。


前回も述べました様に、アームストロングはその殆どの日本から還流してきた資金1200億円を金相場につぎ込んで大損したという振れ込みになっています。
たしかに昨年の10月1400円・グラムだった金価格が1年で40%以上も暴落するという異常な足取りをたどりました。こんな暴落は見たことも無いという
関係筋にもその原因は表層的なものしか明らかにされませんでした。ところがどうでしょう。1999年9月末からわずか2週間で金相場は大暴騰し
既に30ポイント分は戻しました。


アームストロングは9月には一旦逮捕されましたが現在数億円の保釈金で仮釈放中です。…で、日本でこの事件が国際的な詐欺事件として
大きく取り上げられ マスコミの論調も1200億円は戻りそうも無いという解説をし始めたとたんに、金相場は急上昇したのです。


アームストロングという表層的な詐欺師の裏に、もしこうした大きなシナリオを描く黒幕がいるとしたならば、そしてその黒幕は
金相場さえも自由に動かせる立場にあるとしたら、今回のプリンストン債1200億円の略取は完全犯罪に近い形で成立したことになります。
多分この推測のほうが真実に近いのではないでしょうか。それはそうすることができるシクミと資金力集中が実存しているからです。


1200億円の損失の殆どは企業の利益の中から引き当てられ、特別損出として処理されるでしょうから、手を出した企業が倒産するわけでもなく、
直接国民のお金を詐欺したという形にもなりません。また当のアームストロングも瀬戸川氏も「自分は被害者である!」と主張しており、
これも証拠不充分でとおることでしょう。因みに金相場が急激に回復すれば、理論的にはアームストロングは全く無傷で、そのまま
1200億円を着服できたことになります。そしてアームストロングもうやむやのうちに無罪になれば、保釈金も戻るということで、
まさにアームストロング側から言えば、「してやったり!」ということになります。


まことに「見事!」なパイレーツ(海賊)行為ではありませんか。…1200億円も支払った今回の教訓の中で最大のものは、
既に「そうした大掛かりな新手のパイレーツ」が日本の富を略取する態勢に有る…という認識を日本の企業群はもつべきことです。
潜在的には同様の巧妙な新手のパイレーツシステムが既に日本の中に数百は「仕込まれ済み」であると認識すべきでしょう。


その最大の防御策は、…@浮利を負わぬことA失敗を隠さぬことB身元調査を十二分にすること…なんと基本的なことではありませんか。
慧眼で見れば、かのアームストロングの風貌に「うん?おやっ!」と思える「品格の無さ」が読み取れのではないでしょうか。


日本の企業群の経営者諸氏に「武士道」がごとき経営哲学が直接必要な…そんな厳しい時代なのではあります。新手のパイレーツは
手強いですよ。それは超巨大な資金力、国際的な悪のシステムを背景にしており、そしてなによりも「目には直接見えない」相手である
からです。

  


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