”慧”小論文


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Conceptual- Design- Laboratory

概念デザイン研究所の立体登録商標;「創造の生命場」
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by Yamaguchi Taikoh執筆者宛メール
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1999年-10月29日…21世紀型企業の考察4;21世紀市場への進化;その生命体化…文責;山口泰幸

21世紀型企業を考察するにあたって、具体的な事例として日産再生プランについて前回まで述べてきていますが、ここで若干歩みを戻して
一般論的な視点で21世紀の市場というものを考えてみたいと思います。既に述べてきました様に (主にココからこの辺を参照下さい。
20世紀的な企業の存在基盤は圧倒的な「機械論的」「排他的」世界観から急速に進化し、21世紀には地球(地球環境)、人間、他企業
と共にグローバルな生命体を形成しつつあります。…ということは企業がビジネス上、実際に生きていく”場”である資本主義(一応
現時点では資本主義経済システムが新しい経済システムを醸成していくに、最も近いところに有りそうゆえ)経済市場も「生命的に」
進化すると考えられます。

20世紀的な企業の存在を簡潔に括ると、「単独」「完結-確定-保守」「閉鎖系」と見ることができ、20世紀的な世界観の中では
これらの基本的な切り口を突き詰めることで、「存在を確保し」「存在意義を確認し」「生きる指針である営利を創出」することが
できてきました。これらの存在哲学は「限定された比較的小さな市場;単相的」「大量生産、大量消費、大量廃棄」
「秘密、閉鎖、距離…が価値を生み出せるような情報化の初期段階」を現出させ、「規模の経済」という切り口をもって語られる企業活動
が中心となってきます。…ところがこうした20世紀的な企業活動は直接的な環境破壊やごみ問題等を引き起こすと同時に、自らが生み出し
進化させていったテクノロジーの高度化ゆえの「市場の純粋内変」によって、企業の存在場そのものを変革せざるを得なくなって来ています。

20世紀的な企業の存在場が生命場として変容するポイントは、
@情報の全的・瞬間把握→情報および情報インフラの限りなき無料化と限りなき高度化を裏腹に相孕みます。
A資本主義市場の高度な成長自体→情報流、物流、資金流の超高速化、膨大化と産出レベルの高度な均質化。
B労働市場の高品質化と世界化→仕事そのものや品質に関する概念の流布。
Cグローバルカンパニーの台頭→グローバル市場、世界本社、地域対応商品開発等をこなしている企業の伸長。
D商品の変容→サービス化、不可視化、収穫逓増概念の実際化。
などが主にピックアップされ、実に20世紀的な企業活動が生み出した究極のこうした結末が、次世代胎動のトリガーになるわけです。

その結果、企業(群)は単独から集合体へ、そしてさらに生命体へと自らを昇華させていくことになります。つまり、「規模の経済」
から「範囲の経済」を通りすぎて「”ガイアの経済”とでも称すべきグローバルな生命体的経済」へと、大潮流としては移行していく
と考えられます。そしてそのゴールとしての21世紀的な企業の存在場は「アライアンス(互助連携)」「変化-創造-革新」「開放系」
として括ることができましょう。

21世紀的な企業の存在場の中で生き抜くためには、いうまでもなく、個別企業の「企業の進化戦略」が必要です。つまり生命体としての
新たな市場の中で企業が生存していくために必要な戦略です。その根幹となる概念は次の三つの柱で語ることが出来ます。すなわち、
「生存効率の良さの追求」「生存コンピタンスの強化」「生存意義の確立」の3つの抽象概念です。
生存効率の良さとは、自己のみの生存を異化に確保するのかという20世紀的な排他的(自己中心的な)生存戦略とは似て非なるものです。
排他的思考が終局めぐりめぐって排自(自らを損なう)に至る…という宇宙の大原則を学んだ20世紀の企業群は少なくとも闇雲な
過当競争や排他をベースにした相対的な生存という蒙昧から飛翔して、地球規模での共存を前提に自己の生存を考えるに至ると
思いますが、その場合、重要なことは最も少ないエネルギー注入にて、「それが図られるか」ということです。
生存コンピタンスとは畢竟、企業のオリジナリティに他なりません。これがグローバル共存のための最大の戦略で、グローバルにおいて
自企業が最高に何をもって「役立てることができるのか」という問いかけへの回答なのです。
そして最後に、生存意義の確立とはそもそも企業自身が一体何のために存在しているのかという企業哲学の確立です。
考えてみれば、人間にとって、古代ギリシャ時代から永遠の問いかけであった「人間は何のために生まれてきたのか」「どこから来て
どこへ行くのか」という哲学的な自問が、ようやく「生命体としての企業」へも当然のごとく投げかけられる時代に入ってきたわけですね。

では実際に上記の企業の進化戦略のために打つ手は何でしょうか。最低限押さえるべき実行課題としては次の三点が重要でしょう。

@新しい企業の存在場=生命場に対応するための新しい「企業生態系」構築→これがグローバル・スーパー・アライアンスです。
Aグローバル・スーパー・アライアンスにおける最適分業の推進→企業の先鋭的機能分化;生存コンピタンス強化策
B先鋭的機能分化の効果的推進→商品コンセプト主導のグローバル最適ソリューションの逐次、迅速創出
*アライアンスについてはグローバル・スーパー、ブロック、ローカルの三種のアライアンスが複相的に現出するでしょう。
*インテル(CPU)、デルファイ(モビリティサブシステム)などは好先行事例
*商品、コンセプトには広義の意味が含まれる;戦略、事業計画、ニュービジネス、概念開発、デザイン開発、技術牽引など…

最後に、それではグローバル・スーパー・アライアンスの体現者が21世紀の勝者でしょうか。…勿論NOです。
本日述べた内容は、主に21世紀という新時代における生存のための基本戦略であり、20世紀的な「勝敗」のための戦略ではないことに
是非注意を向けていただきたいと思います。すなわち、上記は生きる原点についての記述なのです。しかし敢えて、言うならば
上記の21世紀的な図式において中心に存在するもの、20世紀的に言うならば「頂点に君臨するもの」…それは大企業でも、国でも
ありません。…それは個人としての人間です。個人主義という視点の個人という意味ではなく、宇宙構造をもっとも最小限に自律的に
体現していると考えられる一人ひとりの人間(宇宙)およびその創造性こそが21世紀の中心にくる、そういう不思議な時代に一挙に
突入していくのではないでしょうか。そしてそれを支える周縁の極致が、実はグローバル・スーパー・アライアンスの存在意義だったり
するわけです。…グローバル・スーパー・アライアンスという出来事は残念ながら「そんなに儲かるわけでもなさそうです」。
だけど、そのように進化せざるを得ない…そこが最高に面白いところだとは思いませんか?

  


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