in Yamanashi Pref. 2002 Aug.
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山中湖の向こう側、富士山を見上げる位置に石割山はある。
石割とはいかにもそれらしい名前だ。
最近どうも富士山自体が妙だ。あまりはっきりとその秀麗な姿が拝めないような気がしていた。
一泊二日の研修で立ち寄った河口湖町から、丸々二日間富士山はその姿を現さなかった。
なんだか富士山にきらわれてしまったようだ。しかし、
コノハナサクヤヒメが祭られる富士浅間神社を素通りするわけにもゆくまい。
浅間神社横の国道138号線沿いを南下し、そのまま山中湖を周遊するかたちで、道志方面へ向かう。
平野のわかりにくい交差点を抜けると、これまた極めてわかりにくいT字路を石割神社へと左折する。
5分ほど車で走ったところに駐車場があり、右手の川の向こう岸に赤い鳥居が見えてくる。
そして天空への階段が待ち受けているのである。
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石割神社のご祭神は天岩戸をこじ開けた手力男命だという。
石割---岩戸---、そのキーワードに、いてもたってもいられなくなる。
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眼前には気の遠くなるような一直線の階段があるというのに---
神社入口の赤い鳥居を過ぎるとすぐに”天空への階段”が続く。
最近体力不足を感じる小生には、一瞬たじろぐ光景が眼前に迫る。
とりあえず300mほどはこのまままっすぐに約30度くらいの傾斜で登る。
われわれに先行する人たちの姿は、階段と共に凝集点として遥かかなたで消滅している。
その消滅点へ10分ほどで登ると、やや傾斜角のゆるい同じような階段が同じほど続くのである。
そしてまた右に折れておなじほど登るとようやく中間地点の休憩所に出る。
そこに巨石があると思い込んでいたのはワタシの勝手なのであって---
結局中間地点と思われた階段の終着地点から3倍ほど行ったところに、石割神社はあるのだ。
石割神社は石割山1413mの8合目なのである。
同行してくれた知人のOさん。
山中湖を振り返るかたちで見る休憩所にくれば、もう少しである。
急に暗くなっている崖の少し上に、
”その巨石”はある。
石割神社のご神体を見守るようなかたちで入口に鎮座している球状の巨石。
山肌が急激に折れ込んだ崖の右側に石割神社のご神体が現れる。
高さ10mはゆうに超える巨大な一枚岩。
アマテラスオオミカミが岩戸隠れをしたときに、
手力男命がこじ開けたとされる天岩戸とも言われる
石割権現がこの巨石である。
大きな注連縄が張られた一枚岩は見事に
右上から”石の字”のごとく割れている。
それが石割権現の由来であるとも---
真横から見た石割権現。
”石の字”が見える盤面はほぼ平らになっている。
この面や、後述する見事な隙間から人工的であるとも言われている。
ご神体石を正面から見た全体像。
大きすぎて一枚では入りきれない。
この巨石と周囲のいくつかの巨石群の組み合わせによって
石割権現は形成されている。
下方には祠があるが、祠の背後は巨大な”石の字巨石”の台座石がある。
”石の字巨石”だけならば、自然石の偶然なる芸術
とでもいえるのだが、全体の組み合わせを見ると
やはりそこに不思議な力と意図を感じざるを得ない。
この巨石の周囲は周遊できるようになっている。
一部40cm〜50cmしかない巨石の隙間もあって
物理的に実際通れない人もいるだろう。
この周遊路を三回回ると運が開けるという。
回れるか回れないかで、吉兆を占うというのだ。
”石の字巨石”の左手にある周遊路の入口。
ここだけみても、巨石群が複雑に組み合わさっていることがわかる。
この奥の行き止まりとも思えるところから右側に入っていく。
小生も、同行したOさんも同じようにこの入口で
『ブーン』というような立ちくらみを経験した。
3回の周遊で3回ともこの入口で頭の中がぐらっと揺れるのである。
そのことが何か、三回回れる人とそうでない人が出てくる
原因ではないか---などと考えてしまった。
その感覚はまるで拒絶されるように後ろにのけぞる感じなのだ。
巨石背面の周遊路から真上を見上げたところ。
この狭さの周遊路が約5mほどは続く。
白い花崗岩の表面と緑のコントラストが美しかった。
巨石背面の周遊路出口から振り返ってみたところ。
やや腹の出た小生でも通り抜けれるのだから
物理的に抜けられるか抜けられないかよりも
何か別の意味が「通り抜けの可否」に関係しているのだと思う。
手前右手の光物は巨石から滲み出る霊水を受けるところ。
この霊水は眼病や皮膚病に効能があるという。
満々と溜まった霊水は甘露このうえないものだった。
巨石背面から出口方向を見たところ。
明らかに人工的な表面と隙間なのだ。
この背面にいるとき、非常に癒される感覚がした。
周遊路出口。
白く光るのが霊水受け。
巨石頂上を真下から見上げたところ。
石割権現には磐長姫命もお祭りしてあると
中間地点の案内板には明記してあった。
磐長姫命は大山祇命を父君として、
富士浅間神社の木之花開耶姫命の姉君にあたる。
伊豆雲見と同じように、これは東北方面から
磐長姫命が木之花開耶姫命を見守っている---
ということになる。
直前に立ち寄った北口本宮浅間大社。(山梨県富士吉田市上吉田5558)