恵那峡苗木城跡

in Gifu Pref. /beautiful Ena gorge & the ruins of Naegi castle

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岐阜県は恵那山と笠置山の中間地点、木曽川沿いの小高い城山に苗木城という 巨石を積み上げたと考えられる山城があります。笠置山から中津川の鮒岩を 探訪中に私の目にふと、苗木城跡という文字が目に留まりました。

正門から入場すると、そこは公園そのもの、駐車場からそのまま引き返し まずは、鮒岩へと足を向けたのです。ところが、鮒岩探訪の帰り道、少し時間の 余裕があったため、鮒岩近くの裏道から「苗木城跡へ」という看板に誘われる ままに城山を訪ねることになったのですが、なんとそこで見たものはこれまた 見事な巨石の積み上げ(と考えられる)小山であったのです。

苗木城跡の平坦部からは高さ50m程度の小山なのですが、まあ、それでも 鮒岩のある丸山の高さに比べれば遥かに大きい山なのですが、丁度真下を流れる 木曽川から見れば高さ100m以上はある壮大な巨石の山城なのです。 苗木城跡自体は事実過去城郭があった訳で、多くの部分が石垣で補強されています。 補強というよりは、巨石のままでは人の進入を防げないために、巨石を利用して 巧みに城壁にしているということなのです。

笠置山特集や鮒岩特集でも報告しましたようにこの一体は花崗岩塊の巨岩が ごろごろあるところなのですが、明らかに鮒岩の丸山やこの苗木城跡の城山は 人工的な巨石の積み上げ山という様相を呈しています。その様子をじっくりと 堪能していただきたいと思います。

苗木城は古くは室町時代の遠山氏の居城であり、さらに溯れば、平安時代に 源頼光が陥落させた城郭であるとも伝えられています。勿論こうした話や 明らかに人工の石垣などは、現況の日本史の中で語られる、”最近の話”であり ヒラミツト探訪家としては、石垣や森が存在していない丸裸の巨石の山の姿に 思いを馳せながら、その意味を考える必要があるわけです。

大昔、この苗木城の地下には白い色を嫌う龍が棲んでいたといわれ、そのため 城壁は赤い色をしていたと伝えられています。また、その龍の吐く息によって 苗木城全体が靄がかかり、それゆえに、なんと”霞ヶ城”とも呼ばれていたそうです。 小山全体が赤く霞むという状況に注目する必要があります。神戸の甑岩にも 同様の言い伝えがあり、甑岩はいつもむせ返るような熱い岩であったそうです。

甑岩の甑とは”せいろ”のことで、蒸気で蒸されている岩をそのように表現 したものと考えられます。地図の等高線から見ても城山はきれいなピラミッド型で 苗木城跡全体から醸し出される雰囲気からもヒラミツトの一種と考えられるでしょう。 あるいは、笠置山、恵那山両方の拝殿山でもありえます。 それにつけても、木曽川を見下ろし、恵那山、笠置山を望める城山の頂上からの 眺望は、まさに筆舌に尽くし難いほどすばらしいものなのです。

The ruins of Naegi Castle located near Funa-Iwa seems to be a kind of Hiramitsuto made of artificially pilling up gigantic rocks.

1997泰山記

2010 高精細画像に置換え+補足



苗木城本丸を望む。石垣や森とともに巨石がちらほら見えている。



別丸部分の石垣と巨石の組み合わせ。個々の巨石は直径2mはある。



本丸最上部の巨石の上から望むことができる恵那山と木曽川。 恵那山は苗木城跡の東南に位置する。



180度後ろを振り向けば、そこには笠置山の雄大な姿がある。 笠置山は苗木城跡の真西にあたる。



本丸頂上の巨石の上に掘られた30cm四方の人工痕。 城郭用の柱の基礎部に使用したものか、もっと太古のものかは不明。 明日香地方にある鬼の雪隠の加工痕よりは鋭利ではない。



頂上では丁度桜が五分咲きで、非常に美しい風景であった。



本丸頂上のふたつの巨石。一緒に写っている人影から大きさが分かる。



頂上の巨石の下部に後づけされた石垣。補強というよりは侵入対策だろう。



石垣の基礎部になっている巨石に残った加工痕。 ここに柱があったとは思えないので、石垣積み上げ以前からある 巨石独自の加工痕跡と考えられる。



苗木城跡の城山と対をなす守山にある守山神社の鳥居。 この守山は薄暗く朽ち果てているが、とても重要だ。



その守山頂上に鎮座する対のメンヒル。 守山神社の御神体として結界の中に安置されている。 本丸の城山頂上の巨石も対で、両方の小山の対の巨石の延長線に恵那山がある。



守山頂上にはこのような小振りの巨石が結構転がっている。 守山が神社であることを考えると、守山は城山の拝殿山なのだろう。



守山神社鳥居の付近にあった巨大岩石。守山から崩れたものか 人為的に運ばれたのかは不明。現状ではさらにふたつに割れている。 家一軒分位の巨大さである。


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