in Tochigi Pref. /Nakusa Megalith 1
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『泰山の古代遺跡探訪記』Topページ
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厳島神社鳥居付近にある「国指定天然記念物名草の巨石群」の碑。勿論台座は巨石そのものである。
こうした中規模の巨石が厳島神社のある山全体から表出している。

名草の巨石群の中の主役のひとつ「弁慶の割石」。鳥居を抜けたすぐのところに、「宝之泉」として囲まれた
小池の中に鎮座している。名草の巨石群は神社参道から鳥居、本社にかけて山を登るように配置されている。
この池は名草巨石群に沿って流れる清流の小川の一環で、「弁慶の割石」部分で瀞のようになっている。
御神体ということで、注連縄が張られ、実質的にこの小池の中は禁足地となっている。
巨石の大きさは結構大きく、幅3m以上高さ2m以上はゆうにある。そして大きな特徴は見事に真っ二つに切り裂かれた
割れ目である。いずれこのことには言及したい思うが、重要な巨石ほど「神力によって割られたような」形跡があるのだ。
茨城県の太刀割り石、柳生石舟斎の一刀石など、未知の力で巨石が割られた痕跡が多く見られる。
また、割られる前の原型をイメージすると、諏訪の万治石の胴体部分の石の形態に非常に似ているように感じられた。

「弁慶の割石」の背面。この写真から、この巨石が三角形ではなく、丸みを帯びたお結び型であることがわかる。
小川の砂地に埋もれているので、もしこの巨石を掘り出して完全な姿を見ることができれば、まったく違う
形態をしているのかもしれない。うっすらと線刻画のようなものも見られた。

名草の巨石群が天然記念物に指定された理由は、その原型たる巨大一枚花崗岩(説明では1.5Kmとか)
が山中にあることなのだ。このことについては第2作で言及予定。その花崗岩塊が風化で巨石群を作ったと言われ
この弁慶の割石も花崗岩である。…が、その花崗岩の左平坦部分に表皮のような別の(別に見える)岩肌が
こびりついている。広島の葦嶽山の鷹岩では溶解されたような表皮痕跡があったが、このような表皮は
花崗岩としては初めて見た。岩石学に詳しい諸兄のお知恵を是非おかりしたいものである。
表皮がもし接着されたものであるとすると技術的な意味合い、そしてこの弁慶の割石の存在の意義がまた
大きくクローズアップされることになりそうだ。

弁慶の割石から少し上がったところにあった石柱。これはおそらくメンヒルのような長細い石柱が
根元で割られたものと考えられる。人間業の切り口には少なからずノミの形跡が残るが、
この石柱にもかすかにでこぼこのノミの跡が見られたので、ほぼ後世の人工加工に違い有るまい。
このメンヒルは凄く重要であったような気がする。こういうことはしてほしくないものである。

厳島神社の本殿。複数の巨石の上に鎮座している。神社は普通の大きさだから、巨石群の大きさが
おのずとわかると思う。おそらくは本殿下部にはさらに重要な糸口か痕跡があるのではないかと推察するが
本殿下の巨石の中には入るすべも無い。

厳島神社本殿横を清流が洗い清めている。圧巻は巨石の真上から清流が滴れ落ち、巨石を
浄化するかのように静かな滝が形成されていることだ。見上げていると、ちょうどそのとき
太陽の光がまぶしく指した。何度も言うことになるが、「う〜む。この瞬間がたまらない!」のである。
今回の名草の巨石めぐりの中では、この写真が最高のものだと思っている。
巨石の高さは少なくとも5mはある。この巨石は本当に生きている…とつくづく思った。

厳島神社本殿横から隣の大岩に神橋が渡されている。
前方に見えるのは、名草巨石群中最大の「御供石(おともいし)」の
頭部に載っている
笠石である。

神橋を渡り「御供石」を下方に覗き込むと、そこは天岩戸風の空間となっており、「胎内くぐり」
と称されている。巨石の奥に小さく白く見えているのが、たまたまそこをくぐっていた小さな
女の子の足である。その大きさと高さがわかると思う。

神橋を渡りきり、本殿裏にまわりこむ。そこからさきほどの「御供石」と「笠石」を眺めると
平坦部分にちょこんと「笠石」だけが見えるのだ。

「御供石」の背後に回ったときに出会った可憐な白い花。灯篭と、巨石の間で美しく咲いていた。


「胎内くぐり」の入り口にある鋭利な切り口の巨石。
それにしても一方でこうした鋭利な切り口が存在し、一方で美しいくらいに丸い表面が
同じ場所の巨石に有ること自体が”人工的”な意図を感じさせるに十分なのである。

名草巨石群全体は大阪府交野市にある「磐船神社の磐座巡り」を彷彿させる。
特にこの胎内くぐり=天の岩戸の巨石配置や構造は磐船神社のご神体にそっくりである。
上の入り口の鋭利な切り口の巨石と比べて欲しい。「胎内くぐり」内部はすべて
ラウンドした面の巨石群で形成されており、巨石遺構につきものの「支持用の小さめな巨石」も
存在している。そして「胎内くぐり」の意味を演出する人間が通る空隙のありかたが
まさしく”天の岩戸”なのだ。
入り口から内奥を撮影した写真。

内奥から入り口を振り返って撮影した写真。
外の杉木立から内奥空間の大きさや形状がわかると思う。
右上方の白味がかった丸い石が重要である。

その白い石を真下から撮影したもの。フラッシュをたいたせいもあるが、真っ白な石で
花崗岩というよりも大理石のような感じなのである。大きさ直径約2mほどのその丸い巨石が
内奥空間の暗闇の中でボーッと白く光っているのだ。私はこの石を見た瞬間に、
この胎内くぐりが自然のものではなく、何らかの意思が演出したものであると感得したのである。

胎内くぐりの出口付近から先ほどの神橋を見上げたところ。
さて、さて第1作はここまでです。第2作では奥の院及び名草の巨石考に言及する予定です。
請う、ご期待!。泰山。